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【レザークラフト】職人や革好きが取れる資格!金額や独立時に使える資格とは

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転職独立を考えていませんか?

このご時世で転職や独立は当たり前になりつつあり、自由な働き方が求められる時代になってきています。

ただ、転職や独立するにあたってどうしても不安を感じることってありますよね。

それらを有利にする方法として資格を取得するという方法があります。

資格といえば一般的に専門資格のことを指し、特定の職業に就業したり専門能力を証明するためのものですが、

持っているだけで個人の専門性権威性信頼性を証明することができる大変便利なものです。

そんな資格ですが、皮革製品職人やレザークラフトをやっている方々に向けた資格があることをご存知でしょうか。

この記事では

現役の職人から趣味のレザークラフター、または作れないけどただただ革が大好きな方に向けて

  • 皮革業界の資格試験とは
  • ジャンル別資格試験の種類と概要
  • 就職、転職、独立時に使える資格

などについて解説します。

皮革業界に資格があるなんて知らなかった!

といった方もこれらの資格を取得することでそれが大きく生きる場面があるかもしれませんので、ぜひこの機会に学んでみてはいかがでしょうか。

結論:基本的に資格取得は有利に働くが執着しなくて良い。しかし、独立を目指す方の専門性・権威性・信頼性を証明するための取得はオススメ!

皮革業界の資格試験ってなに?

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皮革業界に関わる資格試験は簡単にジャンル分けをすると

  • 職人向けの技能試験
  • 皮革製品の販売員や愛用者に向けた試験

の2種類になります。

なんとなく職人の技術を証明する技能試験があるのは想像に難しくないと思いますが、

それ以外に知識があれば素人でも受けられる試験があるところが面白い点ですよね。

以下、ジャンル別に資格試験の紹介をしていきます。

職人向け技能試験

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職人向けの技能試験は基本的にものづくりの技術や知識を問われるものとなっており、プロとしての技術を証明するための資格試験となっています。

こちらは現役の職人でないと難易度が高い試験となっていますが、資格を取ることができれば製品のクオリティや信頼度が増すので現役職人の方にはぜひおすすめしたい資格になります。

革製品技能試験

公式HP:革製品技能試験 – 日本皮革産業連合会

皮革産業団体が主催する革製品制作に携わる職人のための技能試験です。

主催団体は

  • 一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)
  • 全日本革靴工業協同組合連合会
  • 日本鞄ハンドバッグ協会
  • 日本服装ベルト工業連合会
  • 日本手袋工業組合

の5団体が主催となって実施しており、それぞれの分野に応じての技能試験を行っています。

昨今の高齢化などで途絶えつつある日本の技術をつなげるための後継者育成や、職人の技術や地位向上を目的に開催しています。

実施試験は以下の4つで

  • 革靴製造技能試験
  • 鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験
  • ベルト技術認定試験
  • 手袋製造技術認定試験

となります。

革靴製造技能試験

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革靴の製造技能を競う試験です。

革靴製造業界の活性化や若手革靴職人の技術や意識向上を目的にした試験で、

裁断・製甲・底付・仕上の4つの分野においての技能や知識を認定する資格になっています。

-取得可能の資格-

特級

革靴製甲業務10年以上の技能レベルを認定

○受験資格

1級合格者、または革靴製甲業務10年以上の経験者

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

1級

革靴製甲業務4〜5年程度の技能レベルを認定

○受験資格

なし

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

2級

革靴製甲業務1〜2年程度の技能レベルを認定

○受験資格

なし

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

公式HP参照:革靴製造技能試験について

鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験

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鞄・ハンドバッグ・小物(紳士・婦人)の3分野において職人の技術や知識を認定する試験です。

日本伝統の皮革技術における社会評価の向上や職人の技能と社会的・経済的地位向上を図るとともに、後継者育成を目的としています。

受験者は3つの部門の内1つを選び、学科試験、実技試験を行い両試験に合格した方のみ認定されます。

また、小物部門のみ紳士と婦人で分かれているのも特徴です。

-取得可能の資格-

1級

上級技術者が通常有すべき技能を認定

○受験資格

  • 日本国内での鞄・ハンドバッグ・小物の製造実務経験が10年以上(※2級合格者は実務年数に関わらず次年度1級試験を受験可能)
  • 事前に提示された課題に合格

○特典

合格証書授与

○受験料

実技試験…¥20,000(10%消費税込)

学科試験…¥2,000(10%消費税込)

(※ただし、日本鞄ハンドバッグ協会の傘下団体会員の企業受験者の場合、受験料が割安になります)

2級

中級技術者が通常有すべき技能を認定

○受験資格

  • 実務経験が5年以上(※3級合格者は実務年数に関わらず次年度2級試験を受験可能)
  • 事前に提示された課題に合格

○特典

合格証書授与

○受験料

実技試験…¥13,000(10%消費税込)

学科試験…¥2,000(10%消費税込)

(※ただし、日本鞄ハンドバッグ協会の傘下団体会員の企業受験者の場合、受験料が割安になります)

3級

初級技術者が通常有すべき技能を認定

○受験資格

実務経験が1年以上の方、または専門学校卒業見込みの方

○特典

合格証書授与

○受験料

実技試験…¥3,000(10%消費税込)

学科試験…¥2,000(10%消費税込)

(※ただし、日本鞄ハンドバッグ協会の傘下団体会員の企業受験者の場合、受験料が割安になります)

公式HP参照:鞄・ハンドバッグ・小物技術認定(皮革部門)試験

ベルト技術認定試験

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後継の人材をより多く育成することを目的とした試験です。

-取得可能の資格-

中級

日本服装ベルト工業連合会が中級程度に値すると認定した技能

○受験資格

日本国内で過去、現在問わずベルト製造経験がある方で、主催団体の1つである日本服装ベルト工業連合会が受験申込み段階で適当と判断した方。

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

初級

日本服装ベルト工業連合会が初級程度に値すると認定した技能

○受験資格

同上

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

公式HP参照:ベルト技術認定試験について

手袋製造技能認定試験

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手袋職人の技術や知識を一定以上の基準によって認定する試験です。

伝統ある手袋製造に対する消費者の評価を高め、職人の技術や知識、また社会的・経済的地位の向上や、後継者育成を目的としています。

-取得可能の資格-

1級

○受験資格

日本国内で過去、現在問わず手袋製造経験がある方で、主催団体の1つである日本手袋工業組合が受験申込み段階で適当と判断した方。

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

2級

○受験資格

同上

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

3級

○受験資格

同上

○特典

合格証書授与

○受験料

資料参照

公式HP参照:手袋製造技能認定試験について

日本生活環境支援協会(JLESA)

公式HP:日本生活環境支援協会

日本生活環境支援協会は、生活における技術スキルの水準が一定以上であることを認定するものです。

各スキルの技術者としての水準を示すことで技術向上や、企業や現場が人員採用を行う際の客観的な評価尺度を提供し、社会的地位の確立や人材育成を目的としています。

こちらで行われている認定試験は幅広く

  • 手芸・工作関連資格(6種)
  • 料理・美容食関連資格(6種)
  • ペット・動物関連資格(7種)
  • 住まい・植物関連資格(8種)
  • 美容・健康関連資格(5種)
  • 趣味関連資格(10種)

の6ジャンルとなっており、多くの試験を行っています。

その中でレザークラフトに関係する資格が下記の資格です。

手芸アドバイザー認定試験

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クラフト全般(手芸やレザークラフトなど)に関する様々な知識や技術を理解していることを認定する資格です。

ハンドメイドを始めたい方やクラフト関係の講師活動をしたい方などにおすすめの資格です。

-取得可能の資格-

手芸アドバイザー

○資格取得を活かせる職業の例

  • 手芸アドバイザー
  • クラフトハンドメイドマイスター
  • 雑貨店主
  • 手芸講師

○受験資格

なし

○特典

  • 資格取得証明を自身のHPやブログなどにバナーで表示可能
  • 有料にて合格認定証、認定カードの発行可能

(公式HP参照:合格者専用ページ

○受験料

¥10,000(10%消費税込)

公式HP参照:手芸アドバイザー認定試験

皮革製品販売員、愛用者向けの資格試験

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皮革関連の資格試験の中には皮革製品の販売員や愛用者が受けられる資格試験もあります。

それらは販売の仕事や愛用者が皮革製品を扱う際の知識として役立つほか、皮革関連の仕事を自分で始めようとしている方などにも専門性、権威性、信頼性を証明できる資格となっています。

また、素人でも受けられるといった点でも受験ハードルが低く資格勉強を始めやすくなっています。

レザーソムリエ

公式HP:レザーソムリエ|トップページ

レザーソムリエは、革製品の知識を深め長く楽しんで使いたい、という気持ちを持った方たちの思いに応えるために、皮革業界が始めた取り組みの1つです。

皮革製品について一定の知識を持つ方をレザーソムリエとして育成することで、革の持つ魅力を理解して愛着を持って革製品を利用したり、多くの方々に天然皮革の良さを知ってもらうことを目的としています。

実地主体は一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)が主体となり、日本革類卸売事業協同組合(JLTA)を通し株式会社矢野経済研究所(YRI)が運営しています。

実施試験は今現在下記の初級のみとなっていますが、将来的に中級者や上級者に向けた資格試験制度も検討しているとのことです。

レザーソムリエBasic(初級)資格試験

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皮革および皮革製品を長く楽しんで愛用するために必要な基礎知識が詰まった資格試験です。

革素材の知識やお手入れ方法など皮革製品を愛用、または販売している方に必要な知識から、

革の組織構造や革の輸出入に関係するワシントン条約についてなど素人はあまり知らないディープ知識なども勉強できる資格になっています。

革に関わる仕事をしている方や革マニアの方まで幅広くおすすめできる資格試験になっています。

-取得可能の資格-

レザーソムリエBasic(初級)

○資格取得を活かせる職業の例

  • 皮革製品販売員
  • 皮革製品バイヤー

○受験資格

なし

○特典

  • 認定カード、認定証書、レザーソムリエ認定バッジ 各種授与
  • タンナーなど皮革関連工場の見学招待
  • 皮革関連イベントの招待

○受験料

¥5,500(10%消費税込) ※2021年1月現在

公式HP参照:レザーソムリエ資格試験について

日本皮革製品メンテナンス協会

公式HP:一般社団法人日本皮革製品メンテナンス協会

一般社団法人日本皮革製品メンテナンス協会(JLPMA)天然皮革製品のケアを通じてその素晴らしさを伝えることを目的として2018年に設立された団体です。

主な事業として

  • 靴磨き職人、靴修理職人育成のためのセミナーの実施
  • 皮革製品のメンテナンスを啓蒙するためのセミナーやイベントの開催
  • 皮革製品のメンテナンスに関する情報提供とネットワーキングのための会員組織の運営
  • その他目的と趣旨を達成するために必要な事業

などを行っており、その一環として

靴磨き職人、靴修理職人、皮革製品製造業および販売員に向けた検定制度の運営も行っています。

サービスやイベントの参加にはメンテナンス協会に入会することが必要で、それにより資格試験のほか勉強会やビジネスマッチングなど様々な特典を受けることができます。

※会員は個人会員法人会員賛助会員の3種類があり、それぞれ入会費年会費がかかります。

公式HP参照:日本皮革製品メンテナンス協会入会のご案内

実施している資格試験は下記の2種類です。

シューケアマイスター

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革靴のお手入れや靴磨きなど、シューケアの高い知識と技術を有した方を認定する制度です。

-取得可能の資格-

シューケアマイスター

○資格取得を活かせる職業の例

  • 皮革製品販売員
  • シューシャイナー(靴磨き職人)
  • シューリペア職人

○受験資格

日本皮革製品メンテナンス協会会員の方

○特典

認定証、マイスターバッジ 各種授与

○受験料

無料だが入会の際入会金、年会費が必要

公式HP参照:資格検定制度

レザーケアマイスター

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バッグ、財布、ベルトなど革小物全般の販売やお手入れに関する技術と知識を持った方を認定する制度です。

-取得可能の資格-

レザーケアマイスター

○資格取得を活かせる職業の例

  • 皮革製品販売員
  • 皮革製品バイヤー

○受験資格

日本皮革製品メンテナンス協会会員の方

○特典

認定証、マイスターバッジ 各種授与

○受験料

無料だが入会の際入会金、年会費が必要

公式HP参照:資格検定制度

就職・転職・独立時に使える資格

皮革産業に関わる資格試験をご紹介しましたが、調べると意外と多く存在することが分かります。

そこで気になるのは転職、就職、独立時などに使える資格があるかどうかだと思います。

基本的にはどの資格も有利に働く!!しかし必ず取るべきものではない

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結論から言うと

目指す分野に合わせて資格を取れば基本的にどの資格も有利になります。

技術系の資格の場合は職人として就職、転職するのに有利に働き

知識系の資格の場合は販売やアドバイザーなどの職に活かすことができます。

当たり前のことではありますが…。笑

なので自分が必要だと思った資格は取っておくことをオススメします。

しかし、これらの資格は必ずしも就職や転職に必要な資格ではありません。

当然企業からすると判断材料の一つにはなりますが、人材採用の基準は資格に有無よりも企業が求める人材かどうかが重要なポイントになります。

そして資格を取るにあたっての勉強期間や受験料の発生などデメリットを考えると、資格を取ることにそこまで執着することはないと思います。

独立後の専門性、権威性、信頼性の証明に資格は有利に働く

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ただ、これらの資格が絶対に有利に働く場合があります。

それが独立した時です!!

会社員から独立後は基本的に会社の後ろ盾もなくなり、専門性、権威性、信頼性が無い状態となっています。

会社員時代に副業などで顧客を得ている場合以外、その状態から顧客を作っていくのはとても難しく時間がかかる作業です。

しかし、資格があることで自身の技術や知識を第三者に保証することができます。

その点で資格取得は個人事業主にとって大きい武器になります。

メリットとデメリットを天秤にかけて必要な資格を取ろう!

必要な資格を取ることに大きいデメリットは存在しません。

ですが、会社勤めの方やレザークラフトを趣味でやられている方の場合

資格がメリットに働く機会がなく、勉強に当てた時間や受験費用などが無駄になる場合もあります。

資格をとったときのメリットデメリットをしっかりと天秤にかけ、有意義な選択を選びたいですね。

この記事が少しでも皆さんの生活向上につながれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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